ドキュメンタリー映画『あたらしい野生の地―リワイルディング』

こんにちは。オランダからすばらしい自然ドキュメンタリー映画がやってきます。

10月29日(土曜)の渋谷のアップリンクを皮切りに全国で上映される『あたらしい野生の地―リワイルディング』です。

「世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」といわれるように、オランダには手つかずの自然というものがありません。この映画の舞台となる土地も干拓事業が行われていました。

その土地は、首都アムステルダムからわずか北東50㎞に位置する小さな自然保護区「オーストファールテルスブラッセン(Oostvaardersplassen)」。1960年代、干拓事業によってつくられたものの、オイルショックによる経済的破綻で放置された土地です。人間から忘れ去られたその土地は、いつしか湿地帯となり、野鳥やキツネなどの小動物が集まってきました。そこに「野生の再生=リワイルディング」の試みとして馬やアカシカが放たれると、人間の介入の外で繁殖し、野生の王国が築かれていったのです。その過程を追ったのが、このドキュメンタリー映画です(2013年制作)。

映画では600日にわたる丹念な撮影で、野生動物たちの四季を通しての生活と過酷な生存競争が描かれていますが、製作者の深い洞察と温かいまなざしで、それはそれは美しく素晴らしい映画になっています。

壮大なスケール、見たこともない動物の表情、タイムラプスによる時の移り変わりの表現、動物や昆虫の生態の微細な描写。丁寧に根気よく撮影されたことがよくわかります。そして、死と生のサイクル。死は必ず訪れますが、それは生につながっていくのです。特に印象的だったのは、ナレーターが、過酷な自然や生存競争から死にゆく動物に、食物連鎖の視点から「死は悲しくないのです」と私たちに優しく語り掛け、それを見て屍にわく蛆虫や昆虫までがいとおしく、また、いったん始めた巨大公共工事を時代の必要に応じ見直し、自然を再生する取り組みができるオランダ社会の成熟度を感じたり、いろいろ考えさせられる90分でした。

すばらしい自然ドキュメンタリー映画をぜひご覧ください!

渋谷アップリンク
映画のFacebook
公式サイトで上映映画館の情報などが載っています。

 

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