11月17日、日曜日の午後、絶好の秋日和のなかFAN今年最後のイベントとして六義園と東洋文庫を訪問しました。
第一部 六義園散策
1月17日(日)秋の穏やかな陽ざしの中、駒込にある「六義園」を散策しました。
正面の入り口に参加者26名が集合し、3つのグループに分かれて、それぞれに庭園ガイドがついて河越藩主の柳沢吉保が下屋敷として造られた「池泉築山回遊式庭園」を巡りました。
六義園は、江戸中期に河越藩主の柳沢吉保が直接指揮して7年かけて完成させた、小石川後楽園と並び称される江戸の2大大名庭園です。六義園の「六義」は、中国の詩の分類に由来しており、「和歌の庭」といわれるようにその広大な園内は、もともと平地だった土地に「池をうがち、山を築いて起伏を持たせ、藤代峠と呼ばれる人工の丘は、紀州(和歌山)にある同名の峠から名付けられたものです。
これらの景勝地を和歌に詠んだ88か所の石柱が建てられましたが、現在はその32か所のみが、残されています。園ガイドからその石柱の和歌の説明を受け、その情景を思い描くように詩の解釈を聞いて、趣の違った「庭園巡り」となりました。また、庭園の枝折り戸の入り口に植えられたモッコクの葉が本来4枚であるところ、明治時代に三菱の創業である岩崎財閥の紋にちなみ、植木職人の手で、3枚にされていることも驚きのひとつでした。
モミジの紅葉には、少し早いようでしたが、ハゼの木は、真っ赤に彩られて見事でした。もう少し時間をかけてゆっくり巡りたかったのですが、次のセミナーの関係で、後ろ髪を引かれる思いで、東洋文庫へ移動しました。
第二部 東洋文庫ミュージアムと田仲一成先生のセミナー
秋の六義園を堪能したあとは、会場を東洋文庫に移して、東洋文庫ミューミアムを見学し、田仲先生のセミナー受講いたしました。
東洋文庫は、今から100年ほど前に、三菱第三代当主の岩崎久彌氏が設立した、東洋学分野の日本最古、最大の研究図書館であり、その蔵書は国宝が5点、重要文化財が7点を含めて、約100万書に及んでおります。ミュージアムでは、その基盤となっている「モリソン文庫」をはじめとする書物が展示され、照明等も工夫されており、見上げるまでの高さに並べられたライブラリーの空間は、本当に息をのむほどの美しさで、参加者の皆様は感銘を受けられたご様子でした。
その後、セミナー室に移り、東洋文庫の研究員で、元図書部長であり、日本学士院会員、東京大学名誉教授でおられる田仲一成先生に、東洋文庫のご説明と、その歴史的意義と重要性、オランダゆかりの蘭学関連の蔵書などのご説明をいただきました。日曜日にもかかわらず、図書館員の方にも2名ご足労いただき、シーボルトの日本植物誌や日本動物誌、また、大地図帖に描かれたオランダなど、貴重なページを、眺めさせていただきました。
第三部 懇親会
セミナーの後は、夕闇の中を、ライトアップされた知恵の小径の回廊を通って、東洋文庫ミュージアムに併設されたオリエントカフェでの懇親会。
オリエントカフェは、岩崎家と三菱ゆかりの小岩井農場が経営されており、カフェの前面に広がる庭園はシーボルトガーデンとして、シーボルトの日本植物誌にみられる木々やお花を楽しむことができます。田仲先生にもご参加いただき、オードブルを食しながら、杯を傾け、参加者の皆さん全員が自己紹介をして、親交を深める場となりました。
名残を惜しみながら、17時半を回ったあたりで、秋のFAN文化イベントはお開きとなりました。
第四部 二次会
懇親会ではオードブルとワンドリンクという上品なメニューでしたので、これでは物足りないと幹事が忖度、近くの居酒屋でニ次会を行いました。ご都合の良い方20名にご参加いただき、お酒を酌み交わし、更に親しくなったところで名残を惜しみながら再会を期して散会と致しました。
次回のイベントは2020年新年報告・懇親会を予定しています。企画が具体的になりましたら改めてご案内させていただきますので、皆さま奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。