映画上映会『子供たちの涙~日本人の父を探し求めて』

6月11日、オランダ大使館公邸で砂田有紀監督の『子供たちの涙~日本人の父を探し求めて』を、安田塾、在日オランダ同窓会ネットワーク(HANJ=Holland Alumni Network Japan)との共催で自主上映会を開催しました。

第二次大戦当初インドネシアで勝利をおさめた日本は、多くの在インドネシアオランダ人を収容所に入れ、さまざまな暴力、虐待、飢餓で2万数千人が犠牲になったといわれています。

また、インドネシアには300年間のオランダ植民地時代を通し、オランダ人とインドネシア人との混血女性がたくさんいました。そして、日本の軍政下、彼女たちと日本兵士との間に多くの混血児が誕生しました。

日 本の敗戦後、まもなくインドネシアは独立したため、混血児たちは母親の祖国オランダに移住することになりました。しかしオランダでは、子供たちはかつての 敵国の日本人の混血ということでいじめや差別など大変な苦労を重ねることになります。戦後70年、子供たちも高齢になりました。

砂田監督 は、オランダを訪ね、インタビューをし、7年の歳月をかけて『子供たちの涙~日本人の父を探し求めて』を完成しました。お父さんに会いたい。ただ、ただ会 いたい――。悲痛な彼らの願い、母の複雑な心境、父親探しに立ちあがった元兵士。かけたピースを探し求める姿を砂田監督が丁寧に描いた良質なドキュメンタ リー映画でした。

映画上映前には、大使、砂田監督からのスピーチ、上映後は監督とのQ&A、レセプションが開かれました。

砂 田監督が取り上げたテーマは日本ではあまり知られていません。今も監督は上映できる機会を探しています。男性と女性が出会い、子供が生まれる。人間として の普遍な営みが、戦争によって深い悲しみを落とす人生を人に強いることのむなしさ、悲劇を一人でも多く知る機会がありますように。

 

砂田有紀監督プロフィール
卒業後、米系テレビ局に就職。ロータリー奨学生としてロンドン大学修士課程で映像メディアを学ぶ。日英退役軍人の和解を描いた作品でロンドン帝国戦争博物 館映画祭ベストドキュメンタリー賞受賞。英国大学での人種問題を描いたショートフィルムは英国チチェスター国際映画祭で受賞。海外メディアの現地プロ デューサー等を経験。元兵士の取材を重ねるなか、7年前に日系オランダ人の話に出合い、作品制作を決意。

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「映画上映会『子供たちの涙~日本人の父を探し求めて』」への1件のフィードバック

  1. 自分のルーツが分からないというのが、こんなにつらい事だとは分かりませんでした。この映画を観て秋に探親の方たちが来られた時には、以前よりもっと共感を持ってお会いできると思いました。

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