12月13日にFANの忘年会を行いました。
今年最後の集まりということもあって、オランダ関連のレクチャーを中心に、バイオリン演奏、景品付きクイズも用意。ちょっと気合いが入っています(笑)。
レクチャーの講師は、松下文洋さん。不動産鑑定、土地評価、コンサルティングの会社を経営される一方で、クラシックヨットを所有し、ルアー作りの達人でもあります。また、『道路の経済学』という新書も上梓されています。
今回のテーマは、「オランダのヴォンネルフ(我々の庭)運動」です。ヴォンネルフ運動は、50年前からスタートした「人と車の融合」を目指したもので、今では世界でも最も優れた交通政策として高い評価を得て、英国をはじめEU各国でも採用されています。世界に絶賛される「ダッチ・ヴォンネルフ」を、運動のリーダーであるモンダーマン氏や、実施した町の副市長とのインタビュー等を交えながら、なぜヴォンネルフ運動が優れているかを、検証していただきました。
道路をトラフィックゾーンとソーシャルゾーンに分ける発想、道路の美観という着目点、信号機のいらないランナバウト交差点(環状交差点)、車と自転車を分離するなど画期的なヴォンネルフ。実際にヴォンネルフを導入した市は、交通死亡事故が激減したそうです。
なかでも印象的だったのが、都市をどう捉えるかというお話でした。ショッピングセンターなどが建ち、経済成長を謳歌しモノが豊かに揃う場所と捉えるか、美観や道路・公園・境界を一体にするなど車以外のインフラにも目を配り、ヒトが賑やかに集う場所として捉えるか。松下さんは日本の都市は残念ながらモノフォーカスの街づくりになっていると指摘。日本橋近辺もその土地がもつ豊かな文化を感じさせる場所なのですが、日本橋の上は景観を損なう高速道路。オランダとは文化的背景や地勢も異なるので一概に比べることはできませんが、ざわめきや活気や空気、出会いを求めて街に出かけるのは、どこに住んでも一緒です。改めて街に関して考えさせられる興味深いレクチャーでした。
レクチャーの後は、FAN会員の掛橋佑水さんによるバイオリン演奏がありました。掛橋さんは桐朋学園卒業後、オーストリア・ハンガリア留学。近年は、かの天満敦子さんとも共演するなど、国内外で演奏活動中の新進バイオリニストです。2曲ご演奏いただいた後、急きょアンコールにも応えていただき、美しい演奏を聴かせていただきました。
しばらく懇親いただいた後は、オランダクイズwith景品。思いのほか(!)正解率が高く、正解の方への景品が足りなくなるのではと、冷や汗をかきました。
2015年、FANは様々な活動を通じて、新たな方との出会いあり、すでに会員の方とはますます交流を深める充実した一年をおくることができました。これも、FANの会員の皆様のおかげです。今年は本当にお世話になりました。改めて御礼申し上げます。
来年もオランダをキーワードに、機会をつかまえて今年以上に活動していきたいと思っております。ご期待いただければと思います。
2016年のFANの活動は、1月30日の新年会からスタートします。新年にふさわしい出し物も用意しております。会員の方、ぜひご予定ください。まだ会員ではないけれど興味をもたれた方は、このサイトからお問い合わせください。皆様にお会いできることを楽しみにしております!
では、どうか、よいお年をお迎えください。
Gelukkig nieuwjaar!