予報では梅雨入りが心配された6月3日(土)、天が味方してくれたのか好天に恵まれ、46名もの皆様にご参加いただき「徳川家ゆかりの戸定邸と千葉大学の庭園散策」を開催いたしました。
松戸市戸定邸にて集合、4名のボランティア松戸シティガイドの方々の引率で、「戸定邸」と「歴史館」に分かれて見学を開始しました。
戸定邸は、15代将軍、慶喜の弟の昭武によって明治に建てられた純和風の木造平屋一部二階建てで、徳川家の住まいとして残された唯一の建築物です。
内部は最上等の杉材をふんだんに使いながらも装飾を最小限に留めており、空間に静かな気品が漂っていました。庭園には昭武が「パリ万国博覧会」に外遊した際に学んだと思われる洋風の技法が多く取り入られているそうです。
歴史館では、1867年パリ万博150周年記念展「プリンス・トクガワと渋沢栄一」展が開催されており、徳川昭武と渋沢栄一との出会いから、パリ万国博覧会の開催当時の会場図面などが展示されていました。「各国巡歴」のコーナーにオランダ国王:ウイレム3世の肖像写真が展示されていたのは、FANとして大変印象に残りました。
戸定邸をあとに、シティガイドの案内で緑の回廊を抜けて隣接する千葉大学キャンパスへ。
数年前に100周年を迎えたという鬱蒼と茂った森の中を散策し記念会館に到着。そこで造園学の名誉教授の藤井英二郎先生から貴重なスライドを交えながら「戸定邸」と「大学キャンパス」の講演を受けました。
戸定邸の庭園は、一見は和風庭園のようだが、実は客間前の書院造庭園は雨落溝の際まで広い芝生が張られており、点在する丸い樹形は洋風要素の特徴だそうです。また、大学キャンパスのイタリア式、フランス式、イギリス式の庭園では、樹木が大きいと庭園が小さく見えてしまうため、庭園を取り囲むチャボヒバのトピアリー(常緑樹や低木を刈り込んで作られる造形物)は約百年にわたって透かし剪定されてきたそうです。その樹形は和洋折衷樹形として極めて貴重であると藤井先生。興味深い先生の説明とともに午前中散策した場所を振り返り、改めて庭園の見方を学ぶようでした。ちなみに、キャンパス内の庭園は開学時から実習教育と研究の場として今日まで維持されています。
講演の後は、記念館の前で集合写真を撮った後、学生食堂に場所を移し、白石副会長の司会、村岡会長のあいさつ、田中監事による乾杯の発声で懇親会となりました。
懇親会では、それぞれビール、ワインを飲みながら今日一日の体験談に大いに花を咲かせ、楽しいひと時の後自由解散となりました。
最後に、今回世話人鈴木が大学のOBであることから記念館及び学食などをご厚意で借りられました。大学関係者の方々に深く感謝申し上げます。
ご参加の皆さま、お疲れ様でした。