ダンスミュージック大国オランダ

突然ですが、みなさんはこれら名前をご存知ですか?

Afrojack (アフロジャック)
Armin van Buuren (アーミン・ヴァン・ブーレン)
Don Diablo (ドン・ディアブロ)
Hardwell (ハードウェル)
Martin Garrix (マーティン・ギャリックス)
Nicky Romero (ニッキー・ロメロ)
Oliver Heldens (オリバー・ヘルデンス)
Sander Van Doorn (サンダー・ヴァン・ドーン)
Tiësto (ティエスト)
Laidback Luke (レイドバック・ルーク)

​彼らは、毎年3月にアメリカのマイアミで開催される「Ultra Music Festival」、毎年7月、ベルギーで開催される「Tomorrowland」など、数十万人もの動員数を誇る野外ダンスミュージックフェスで大トリを務めたり、Grammy AwardsやMTV Video Music Awardsなどの音楽賞を受賞し、世界各国のヒットチャートを賑わしている、オランダが誇るダンスミュージック界の人気DJです。

 

DJ」という仕事
みなさんDJという仕事にどのようなイメージがあるでしょうか。
クラブなどで、他人のヒット曲を選曲して、次々と繋いでいくのがDJという職業だと想像する人が多いと思いますが、それはかなり昔の話です。

現在の人気DJは、自ら作曲・プロデュースした楽曲、もしくは、他のアーティストの楽曲をフロア向けにリミックスした曲を中心とした構成で選曲をし、DJプレイをしています。みなさんのイメージ通りのDJも存在しますが、現在のダンスミュージックシーンでは、それだけではDJのオファーは多くきませんし、人気者にも、ミリオネアにもなることは難しいでしょう。

 

オランダ人DJについて
DJの人気を図る指標には年間公演数や楽曲の売上数、収入などがあります。
世界有数の経済誌『フォーブス』では、過去1年間にいちばん稼いでいるDJを「Electronic CashKings」というランキングで発表しています。

最新の2016年で、オランダ人DJのランクインは以下の通りでした。
2位Tiësto (3800万ドル)
9位Martin Garrix (1800万ドル)
11位Afrojack (1500万ドル)

彼らは、プライベートジェットで世界中を飛び回り、ワンステージ(60分~90分)で数十万ドルを稼いでいます。

また、もうひとつの指標に、世界最大級のダンスミュージックメディアである、イギリスの『DJ MAG』誌があります。ユーザーからの人気投票などで世界の人気DJランキング「TOP 100 DJs」を決定しています。毎年10月、アムステルダムで「Amsterdam Dance Event (ADE)」が開催され、そこで、「TOP 100 DJs」でTOP 1に輝いたDJの表彰式が行われます。

先に紹介したオランダ人DJ達も毎年上位にランクインしています。

今回は、「TOP 100 DJs」で何度もNo.1になっているレジェンドDJと、今年のNo.1を紹介したいと思います。

Armin van Buuren (アーミン・ヴァン・ブーレン)
ライデン出身
Dutch Tranceを代表するDJ。DJMAG誌の「TOP 100 DJs」で過去5回にわたって1位を獲得している、名実共に世界一のDJ。
2013年ベアトリクス女王が退位し、ウィレム・アレクサンダー新国王が即位した日、アムステルダム市内で行われた即位式記念の野外イベントで、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と共演し、国王一家がステージに登場したことで、世界中で話題になった。

 

Tiësto (ティエスト)
ブレダ出身
47歳となった今も、最前線で活躍し続け、世界中のDJに強い影響力があるレジェンド。2004年のアテネオリンピックでは、開会式の選手入場時にDJプレイをした。
2016年9月にお台場で開催され、3日間で12万人が来場した「Ultra Japan 2016」では、最終日の大トリを務めた。

 

Martin Garrix (マーティン・ギャリックス)
アムステルフェーン出身
1996年生まれの弱冠20歳だが、オランダが誇る次世代のスーパースターDJ。デビューから、数々のヒット曲をリリースしていて、世界中から注目されている。
2016年10月、DJMAG誌の「TOP 100 DJs」で、世界一のDJに選ばれた、今最も旬なDJ。

 

オランダ国内のダンスイベント
オランダ人DJについて、彼らの仕事や人気について、少しはイメージができたでしょうか。
では、実際に彼らのプレイで踊るにはどうしたらよいか。

彼らは、世界各国のイベントやクラブからのオファーが多く、もちろん日本国内で開催されているイベントにも出演しています。人気があるためチケットは入手困難ですが、ラッキーにも確保できたら日本にいながらも体験することができます。しかし、せっかくならオランダ国内で体験するのがベストと思いますので、いくつかのイベントを紹介します。

オランダ国内の大規模なダンスイベントは、屋外ではハイシーズンならアムステルダムのフォンデル公園、アムステルダムセ・ボスなどで開催されています。屋内のイベントは、アムステルダムのAmsterdam Arena、Ziggo Dome、Heineken Music Hallなどが主な会場です。

私もいろいろと体験しましたが、そのなかでオランダダンスシーンに興味がある人、体験したい人におすすめしたい代表的なイベントを紹介しましょう。

The Flying Dutch
アムステルダム、ロッテルダム、アイントホーフェンの3会場を、10組のオランダ人DJがヘリコプターで移動してプレイしていくという、一風変わったダンスイベントです。
今年は6月4日に開催され、約12万人が参加しました。

 

Amsterdam Dance Event (ADE)
毎年10月に開催、2016年で21回目となる、世界最大級のエレクトミュージックイベント。
アムステルダム中の多くのクラブが、5日間オールナイトでイベントを開催しているだけではなく、世界各国から集まった、DJやダンスミュージックレーベル、業界関係者が、カンファレンスを行ないます。また、有名ミュージシャンによるワークショップや講演会などが開催されます。

 

SENSATION
ドレスコードは「白」。「世界一美しいダンスイベント」と呼ばれている。
2000年にアムステルダムでスタートしたこのイベントは、現在、世界各地に広がり、2015年にはオランダ大使館の後援で、日本でも開催されました。
2016年のSENSATION AMSTERDAMは、「Angels and Demons」というテーマで、ドレスコードは白と黒に。

このような大規模なイベント以外にも、オランダ国内、特にアムステルダム市内には数多くのクラブが営業しており、毎夜、様々なジャンルのダンスイベントが開催されています。

最新のダンスイベントやクラブイベント情報はこちらをご覧ください。

 

最後に
日本では、クラブ文化やダンスミュージックの世界は、20歳代前半の若者が集まり、朝まで暴れて騒ぐ悪の巣窟というイメージが先行しているようですが、オランダでは全く違います。もちろん20~30歳代の若い世代が大半ですが、私がよく行くアムステルダムのクラブには、50歳代以上お洒落な方も多く、なかには孫とやってきて朝まで踊っているベテランさんもいます。そこには、年齢を問わず笑顔で、純粋にダンスを楽しむ文化が浸透しています。

寛大であることを是とし、多民族国家であることを自負するオランダ。最新の音楽も文化も大きく包み育てる土壌があるのではないかと思います。

好きか嫌いかは体験してからという事で、ぜひ1度、「今のオランダ」をダンスフロアで体験してみて下さい。

 

成瀬太一
1979年生、北海道出身。東京都在住。小学生の頃からダンスミュージックを聞きはじめ、様々なジャンルの音楽を体験してきた後、「オランダのダンスミュージック」に行き着く。
オランダには、踊るためだけに1ヶ月間滞在するなど、過去5回訪れている。