09 6月

6月のハーグ ~まちに賑わいが戻ってくる~

オランダでは、6月1日月曜日から、大幅な緩和策が始まりました。第一弾は飲食店などの営業再開です。予約を入れること(テラス席はその限りではない店が多い)、お客さんは一度に30人まで、席と席の間は1.5mあけること、なるべくPin(デビットカード)支払いなど、いろいろ制約つきですが、ともかく、いつもの街がもどってくる第一歩。インテリジェンス・ロックダウンが始まったのが3月半ばですから、約2か月半ぶりのことです。

ベンチに作られた新しいパテーション

とはいえ、感染者がゼロになったわけではありません。これを書いている6月9日現在、毎日更新されるRIVM(オランダ公衆衛生環境研究所)のウェブサイトでは、以下の数字が報告されています(かっこ内の数字は前日からの増加数)。

陽性反応者:4万7903人(+164)
入院者:1万1800人(+6)
亡くなった方:6031人(+15)

過去一週間を振り返っても、陽性反応者は毎日約100人単位で増えています。この増加は6月1日から検査が受けやすい態勢が整ったことに起因すると思われます。いずれにせよ、2か月前の4月9日の陽性反応者は1213人、5月9日では289人ですから、かなり少なくなりました。記録を見返すと、3月下旬から4月上旬が最もシビアだったことが分かります。

ショップなどは飲食店再開の前からすでにオープンしており、マスク率が1%にも満たないこともあって新型コロナウイルスは実は壮大なトリックなのでは?と思う日もしばしば。天気がよいとショップ前に列ができ(入場制限があり)、公園はピクニックを楽しむ人で混んでおり、運河では夏恒例のボートタイム(まるで居間にいるかのように寛ぎながらボートを操縦)を楽しむ人が出ていたし、みなさんもすでに貪欲に(笑)、レジャータイムを満喫しています。そうであっても、飲食店再開はやはり格別なものがあります。

ボートの中がリビングルーム化します

 

6月1日はPinkstrenという聖霊降臨祭の翌日で休日にあたり、しかも夏日。夕食後、よく通っているアイスクリームパーラーでアイスを食べた後、街はどんな風になっているか、デンハーグの中心を散策してみることにしました。

いきつけのアイスパーラーは「Florencia」といいます。イタリア人家族が始めた老舗で、デンハーグ下町を象徴するドローカルショップです。ハーグは国会議事堂や大使館が多くあることで「洗練」「エキスパット」のイメージがありますが、どっこいローカル色のつよい街です。そして、地元ハーグゼナーは口の悪いことでオランダ国内でも有名で、単刀直入なオランダ人でさえ涙がちょちょぎれるきつさなんだそうです。

Florenciaで、お気に入りの組み合わせ、Aardbeien(イチゴ)とCakeijs(ケーキアイス)。ケーキアイスはスポンジケーキ味なので、合わせるとイチゴケーキ味になります

 

ところで、Florenciaでは営業再開とはテラス席解禁を意味します。ここに通う人の大半が寄りあい所としてFlorenciaを利用しており、ほぼ毎日、決まった時間に集まってくっちゃべるのを日課にしていた人が大勢いました。なので、6月1日以前も営業はしていたのですが、常連さんにとってはアイスは買えてもテラス席がないというのは、閉店と同じこと。2か月半ぶりの再会に、嬉しそうに肘ごつき挨拶をしているのを見て、こちらまで和みました。

今のFlorencia(上)と1年前(下)。テーブルの間隔がとられています

 

中心街はというと……。相当な人出です。レストランによってはかなり混みあっているように見えますが、テーブル同士が不自然に空いていて、妙なスカスカ感もあり、本当に混雑しているのかがよくわかりません。そんな距離を保とうねという努力も虚しく、再会を喜ぶ友人らが次々と現れて人で山盛りになっているテーブルもありました。

密なんてなんのその、再会を喜ぶ人たちで混みあうテーブル。

裏路地風の狭い通りには合唱団が繰り出し、嬉しそうに聴く人たちでひとだかりができています。そんな混みあう道を横切るインドネシアのおばさんは、サンダル&ゆるゆるな服にマスク着用で強烈な違和感を放っています。ヒップなレストランのヒップな店員はフェースシールドをかぶってお客さんにVサイン。

道路にはいつの間にか片道通行と1.5㍍空けようね表示がつくられており、でも、守って歩く人はほぼ皆無。ある広場ではカフェの横にあるジムがマシーンを屋外に出しており、ランニングに黙々と取り組む人の横で、楽しそうにごはんを食べている人たちがいます。通りを走るトラムを見れば、乗客全員があんなに嫌がっていたマスクをしています(6月1日から公共交通利用の際はマスク着用が義務になっています)。

食事をしている人の横で黙々とエクササイズに励んでいます。

 

警戒している人、すでに終わったと思っている人、最初っから頓着していないと思われる人、つい忘れちゃった人、それなりに気を付けている人。同調圧力とは真逆の主張王国ならではの「あるある」なのでしょうか、それぞれの対処法が個人単位ではっきりくっきり際立ち、しかもそれぞれかなり違うために、久しぶりのにぎわいは警戒と喜びがサイケデリックに入り混じってどこかシュールでした。これがオランダ風「ニューノーマル」なのでしょうか。

おしゃれなカフェのベンチでは密に座らないよう×印がついています。さすがに座らない…と思います。

いつの間にかできていた、距離をあけつつ、右側通行の指示。

トラムの停留所の指示。1.5mあけて、ここで待とうねという指示ですが、気にしている人はあまりいませんでした。

 

 

 

 

 

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