23 5月

ムシと樹とオランダ人

久しぶりのリレーブログは、今年から世話人に仲間入りした勝野さんです。虫とオランダ人のおもしろいエピソードです。

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こんにちは。今年の総会で新世話人として承認して頂いた勝野です。よろしくお願いいたします。

私は2007年12月から2011年1月までオランダのナイメーヘン市に住んでいました。今回は、オランダに住んで半年経ち、ちょっと慣れてきた頃の2008年5月の出来事について書いてみます。
*注:虫がお嫌いな方は写真を拡大なさらないようにして下さい!

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私が住んでいたのはナイメーヘン市の南の郊外のデューケンブルグという地域。家の近くには大きな木の並木道があり、その横のお堀では鴨の親子が泳いでいるのどかなところでした。
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5月のある日、その並木道の木がどうも白っぽくなっているような気がしたのです。タンポポの綿毛のようなのでも自分で発生させているのだろうか? と気楽に思っていたのですが、日を追うごとに木々はますます白くなっていきます。まるで細い糸に覆われているかのように。これはただごとではない。

意を決して近づいてみると、糸の中には何千何万という数の虫が!

この虫が出す糸はどんどん液体のように流れていって、鴨の親子がいるお堀にまでなだれこんでいます。

こんな状態になってしまった木がこの通り沿いに約50本もありました。

オランダ人にとっても目を引く光景らしく、写真を撮ったり、集まって井戸端会議を開く方々がいたので、会議に参加してみました。

私:キモチワルイですよね。
ご近所さん: あらそんなことないわよ。ステキだわ。
私: (ええっ、ステキ??)なぜステキなんですか?
ご近所さん: この虫は害はないのよ。そのうちキレイな白い蝶々がたくさん出てくるわ。そしたら木も元通りになるのよ。

そうか、オランダ人はこの現象をCoolだと思っているのか! 目から鱗が落ちた瞬間でした。日本だったら「消毒しろー!」という声のもとに、あっという間に農薬等が撒かれていたことでしょう。

その後虫たちはさなぎの時期を経て、6月下旬に無事羽化し、悪さもせずに飛び立っていきました。蝶には・・あまり見えませんでしたが。

しばらくすると葉っぱも復活し、ご近所さんが言っていたように木も元通りになりました。

なんでも日本のやり方が一番なんて思っていなかったけれど、このような現象もポジティブに受け止め、自然を無理に人間に合わさせないという考えがこの国の人にはあるのだなと思わされた、オランダ滞在初期のインパクトのあるできごとでした。